団体旅行の費用は、個人で旅行する場合と比べて割高になります。
例えばセブへの旅行で言えば、自分で安いツアーを探すと5万円台でいけるパッケージもたくさん探せます。しかし、これが社員旅行の担当者に任命されいざ団体見積もりをしてみると、ほとんど同じ内容でも8万円に…。
なんて話しは良くある話です。
特に旅行慣れしている人からすると、ええ、こんなにかかるの!!とびっくりされるかもしれません。普通ならボリューム割引が利いて安くなりそうなのに…と、私も思いました。
でも、旅行事業を始めてみて、なぜ費用が高くなるのか今なら理解できます。ここではその3つの理由については説明していきます。
1)団体旅行だと飛行機代が高くなる理由
まず飛行機代が上がる理由を説明します。
飛行機のチケットは混雑状況、購入するタイミングなどによりクラスが異なります。
こちら座席自体は同じなのですが、クラスによってマイルの積算率やキャンセル費用が違ったり、ビジネスクラスへアップグレードが出来るなどの違いが出てきます。
例えばANAだと以下のようにクラスが分かれています。
予約クラス | マイレージに対する積算率 | チケット代金 |
Y | 100% | 高い |
E | 100% | | |
B、M | 100% | | |
U、H、Q | 70% | | |
V、W、S、T | 50% | | |
L、K、G | 30% | 安い ★基本、格安チケットはこのランク |
基本的に格安チケットサイトの場合、その時価格が安いものから出してくれるので価格が安めに出ます。
しかし!団体だと違います。例えば50席を必要とする団体だとしても丁度良く格安チケットを50枚取ってくれるわけではありません。その辺は航空会社の調整が入り、Lから10席、Vから25席、Uから15席といった具合で販売されます。そうすると価格もその平均値をとる形となるので、格安チケットよりは少し高くなるケースが多いのです。
「早く予約したんだから何とかしてよ!」と言いたくもなりますが、航空会社も格安チケットの枠を残しておかないと他の航空会社に負けてしまうので、どこの航空会社もこのようなシステムになっています。
2)団体旅行だとホテル代が高くなる
ホテルも飛行機と同じ団体でとると高くなります。それはキャンセルリスクが大きいからです。
例えば100部屋あるホテルで50部屋の予約を入れるとします。この場合ホテルはこの団体用に部屋を確保する必要があるため、他の予約が入っても断らざるを得ません。
しかし、ホテルからすると50%の予約をキャンセルされたら大変。本当は取れたはずの予約がすべて流れてしまう訳です。もちろんホテルもそうならないようにキャンセル規定も厳しくする訳ですが、これが私たちが提供する料金にも乗ってくるわけです。
また個人旅行ツアーの場合は、例年の実績からおおよその客数が予測出来るため、部屋をまとめて事前に抑えるといった事が可能です。よって、人気のある個人向け旅行サイトは個人客にのみ大幅な割引を提供できるのです。
団体旅行だと車代が高くなる
そもそも個人旅行のパッケージには車代が含まれていません。しかし団体の場合、時間的なロスを防いだり、車で離ればなれになったりするのを防ぐためにも事前に車を確保するのは必須。ツアーをスムーズに進めるためにも通常は事前に依頼します。よってこれがツアーの代金に乗ってくる事で単価が高く感じてしまうのです。
また、セブでは収容人数が多ければ多いほど車代が高くなります。大人数乗るんだから安くなりそうなものですが、セブではバスが少なく、大人数用のバスは日本並みの価格がかかるのです。
例えば以下のような価格設定となります。
- タクシー4人乗りで500円(単価125円)
- バンが12人乗りで3,000円、(単価250円)
- バスが30人乗りで10,000円(単価333円)
この金額の違いも、積み重なるとどんどん価格も上がってきてしまうのです。
まとめ
上記3つの理由より、結局団体旅行だと仕入れが高くなるのです。結果として2人のカップル旅行ならば格安ツアーで6万円のものが8万円したりするのです。
ただ、アクティビティーや食事など、それ以外の部分は人数が多ければ多いほど安くなることが多く結果として現地でかかる費用は個人旅行よりは安くなることが一般的。
中身と価格を比べると、団体旅行の方がお得だったりするのです。
大体の団体旅行の価格相場はこちらを参考に!
セブ島社員・団体旅行の価格例